〔秘伝書①〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード1/人類の祖先、木登り下手説 ~創意工夫はやがてみんなを豊かにする~」
- 第八章.虎の巻と秘伝書外伝④
- えっっ、ほんとうにそれでいいの ~ジョブローテーション・虎の巻~【1.44】
番頭ポストをひとつ減
MNV保守事業の改革が軌道に乗ったころ、番頭ポストをひとつ減らしました。ビジョンを取りまとめた営業第一課随一の頭脳派番頭、帰国子女の犬田さんです。犬田さんは当初の混乱期に当時の第一設備販売課の檜山課長が送り出してくれたメンバーです。
恩義に報いたい
檜山課長が第三設備販売課へ異動後、番頭が一枚足らずに苦しんでいました。恩義に報いたいと思いました。檜山さんに犬田さんとメンヘラ気味の若手とのトレードを打診しました。檜山さんは「えっっ、本当にそれでいいの」と驚きの声を出しました。
人材貿易収支の黒字化
優秀な人材とチームに必要な人材は異なります。人材は会社全体の資産です。課長にはメンバーのキャリア形成上の責任があります。私は訳あり人材を受け入れ、育て、優秀な人材として他課所に送り出すという人材貿易収支の黒字化にもやりがいを感じます。
初のレンタル移籍
優秀な人材には外の世界を知る機会を提供します。社外研修に留まらず、支社内で初のレンタル移籍も試みました。デジタル革命の首謀者谷園さんを関西支部の頭脳集団部署へレンタルしました。帰任後には社内公募制度にもエントリーしてもらいました。
外の世界を知らせる
自らの職場に自信があれば、外の世界を知らせることが逆に流出防止につながります。外から職場を見てもらいます。常にメンバーが幸せになれる配置転換を考えます。谷園さんはMNV保守を卒業し、TRAi事業の救世主になるべく課内異動しました。
好き嫌いは判断しない
はた目から見て私が気にいっていそうなメンバーもどんどん営業第一課から送り出します。計画的に育てた優秀な人材は環境を変えればもっと伸びます。人材は囲い込みません。そのため私はあえてメンバーの好き嫌いは判断しないという選択をしています。
かっこつけなくていい
市場価値が高まるジョブローテーションは噂になり、営業第一課は人気部署になりました。昔、私は昇級試験を拒絶したことがあります。先輩に「かっこつけなくていいよ。自ら落ちこぼれなくても、自然に昇級は止まるから」と言われ、封印しました。
番頭にはなりたくない
昇級し、番頭や課長になりたくないと言う若者に助言します。「最初からWLBを重視すると市場価値は下がり続ける。最速で番頭級の職位になり、給料を上げた後、WLBを重視すればいい」「理想の上司がいなければ、自分が理想の上司になればいい」
- to do 87:あえてメンバーの好き嫌いは判断しないという選択をする。
- to do 88:理想の上司がいなければ、自分が自分の理想の上司になる。
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