ネーミングって大切【3.31】 

秘伝書・エピソード3

〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」

  • 第四章 4年目のキセキ
  • ネーミングって大切 ~特殊対応とキャストとエコ受付~【3.31】

言葉には定義が必要

多くの場合、言葉は定義されないまま使用されます。あいまいな文化は定義を避けます。解釈が異なれば、議論は噛み合いません。言葉には定義が必要です。明瞭明晰にすることは対立を生む文化であり、時に対立を招きますが、臆せずに言葉を定義します。

ネーミングで行動が変化

言葉には印象があります。「ちなみに」のように警戒を促す赤信号の言葉や、「同感」のように温かい印象を与える言葉、「不可」のように冷たい印象を与える言葉があります。ネーミングを変えると印象が変わり、行動までも変わることがあります。

「特別」は温かい言葉

「特別」は、温かい印象の言葉です。特別対応するということは顧客を大切にし、特別対応しないということは冷たい印象を受けます。しかし、無償で行なわれる過剰な特別対応は、現実の世界では標準対応で満足いただいている顧客への裏切り行為です。

投票により呼称を変更

そこで、有料化または無償で行なうことを承認されたもののみを「特別対応」と称し、他のイレギュラーな対応は投票により「特殊対応」という呼称に変更しました。後ろめたい印象に変わり、特別扱いをしないことへの罪悪感がなくなりました。

凍り付く職場

「こんな仕事は派遣社員にやらせればいい」というメンバーの心ないひと言で職場は凍り付きました。派遣社員という言葉が職場で乱暴に使われないようにするために、役割別に〇〇キャストという名称で呼ぶプレミアムキャスト制が誕生しました。

イメージしやすい呼称

サービスキャスト(SC)に対してエキスパートSC(ESC)のようにエキスパートが付けば社員です。ただし、新入社員はSCからはじめます。キャスト名は直観的に役割がイメージしやすくしたことで、各々の役割が明確になりました。塞翁が馬です。

ミドル層の抵抗

従来の社内情報の伝達手段は対面や電話、メールでした。効率化を目的としたイントラネットWeb受付システムの導入時、設備販売員のミドル層以上に抵抗感が見受けられました。そこで、呼称をWebエコ受付とし、エコ活動の意味合いを持たせました。

3ヵ月で本格普及

「簡単・便利そしてエコ。Webエコ受付がはじまります。ペーパーレスだから地球にやさしい」とエコを唱えれば活動を否定しにくくなります。いやいやでも使ってもらえれば、簡単・便利を実感できます。僅か3ヵ月の移行期間で本運用を開始できました。

  • to do 59:議論する前には、議論の対象となる言葉を定義する​。​
  • to do 60:ネーミングは、温かい言葉と冷たい言葉を狙って使い分ける。

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