〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第三章 3年目のキセキ⑤
- 怒りと理解の境界線 ~顧客満足運営のための逆選択と謝罪~【3.24】
8割を2割の顧客から
一部の企業は、利益の8割を2割の顧客から得ています。顧客満足運営とは、すべての顧客の満足を追求することではありません。単純な市場シェアを重視せず、利益を生む顧客層を見極め、関係を深めます。後に、特定業種を狙い撃つ施策を実行しました。
選ぶことを選ぶ
顧客を選択するとは、見方を変えれば、逆選択つまり見切るということです。選ぶことを選ぶということです。逆選択をしにくい日本の風土を恐れず、戦略に合った顧客を選ぶことは、結果的に多くの顧客に低廉なサービスを提供できることにつながります。
問題行動を起こす顧客
設備故障時の二次的な損害賠償を求める、サービス員を束縛して心の病に追い込む、担当者の性別を女性指定する、部品供給が途絶えた超経年機の保守を永遠と求める、受付順を待てないなどの問題行動を起こす顧客をたくさん抱えていました。
顧客は助けを求めてる
トラブル時は再発防止策を手に謝罪訪問し、こちらも相手を見定めます。超経年機の保守を求める顧客と順番を待てない顧客は、実は意識が高く、助けを求めている顧客でした。顧客の抱える心の問題と物理的な損害の両方を解決していきます。
謝罪は経済活動
謝罪に法的な義務はありません。謝罪は被害拡大を避けたい場合に会社方針で行います。相手が責任者に謝罪を求めるのは会社の姿勢を確認するためです。謝罪を求める顧客は、実は契約を継続したい場合が多いため、謝罪とは利益を守る経済活動です。
対応力を見てる
顧客は解決に至るまでの一連のストーリー、対応力を見ています。顧客の気持ちは、初動だけでなく、最後まで真摯に対応する私たちの姿に動かされます。今回は見切る顧客であっても、今そのサービスが提供できない理由とビジョンを語ります。
許し方を探る
相手も同じく落とし所を探しています。相手の気持ちを自分事として捉えるときには、自分が相手と同じ状況になった場合、どこまでどんな対応をすれば許してもいいと思えるかを考えます。つまり、謝り方ではなく、許し方を探るということです。
イカリがリカイに変わる
相手の思いを聞き尽くしたうえでビジョンを共有し、僅かな譲歩を示すとイカリ(怒り)が反転し、リカイ(理解)に変わります。顧客の口から「最後までありがとう(握手)」「有意義な時間をありがとう」という感動の言葉が生まれました。
- to do 46:顧客を選択、逆選択する。(利益を生む顧客層のシェアを高める)
- to do 47:トラブルへの対処は、再発防止策を手に顧客視点での許し方を探る。
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