〔秘伝書②〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード2/売れっこないもの売ってみた ~ダメそうなこと+だからいい~」
- 第二章.第4節.クロージング③
- 押し売り禁止、決断は相手に委ねる ~傾聴と共感と沈黙の15分~【2.28】
いちいち反撃しない
今回は本社が東北地方にある山丘陸運への営業です。決定権者は職人気質の方で超大型NAViのメーカー車発売前の改造車時代の対応に反感を抱いています。攻撃にいちいち反撃せず、感情を吐き出す機会をつくります。相手の発言をさえぎるのは厳禁です。
自分は理解されている
ときには「どうぞ続けてください」と促します。言い分に理があれば指摘し、共感します。自分は理解されていると思ってもらえない限り、こちら側の見解を聞いてもらえることはありません。特に合理的でない相手が交渉相手の場合には必要なステップです。
期限が判断を鈍らせる
交渉合意のタイミングは、大抵、交渉期限が到来したときです。期限が近づくと一方あるいは双方が大幅に譲歩して合意に至ることがあります。交渉期限は自らは設けません。行き詰まりを恐れ、自らの判断を鈍らせます。長期に渡る取引ならなおさらです。
悪徳商法と同じ
結論を仰ぎます。決断は相手に委ね、強要しません。誰でも無理やり何かをやらされることを嫌います。相手の決断を待ち、自由意思として自発的に決断してもらいます。押し売りは悪徳商法と同じです。もし人生のターニングポイントならばなおさらです。
秤にかけてもらう
相手の話を60分間、注意深く聞いたのち、5分間、提案しました。クロージングは、正面から向き合う体制を保ち、相手から目線を外さないように心がけます。相手が決断しないなら、決めかねている理由と決めてもいい理由を聞き、秤にかけてもらいます。
一休みして気分転換
熟考から10分が過ぎました。「じっくり考えていただくために当社は30分、外に出ましょうか」と提案します。はやる気持ちに負けそうなら、一休みして気分転換します。決定権者からは「もう少しだけ待ってほしい」と言われ、さらに5分が過ぎました。
今日はありがとう
「やっぱり今は超大型NAViは導入できない。でも導入するときは近畿4府県の事業所から導入する。今日はありがとう」と言ってもらえました。決定権者は過去にNAVi普及の技術委員をしており、本当は普及への想いが強いことを知りました。
傾聴と共感
國武さんと共に体感1時間に相当する「沈黙の15分間」を経験しました。相手の話に熱心に耳を傾ければ傾けるほど共感できます。傾聴と共感です。人は話を聞いてくれる人を信頼します。人は自分の話を聞いてくれた人ともう一度会いたいと思っています。
- to do 55:メンバーに対して不必要に早い交渉期限や仕事の納期を設定しない。
- to do 56:相手ともう一度会いたければ、熱心に話を聞く。(傾聴と共感)
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