〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第二章.2年目のキセキ①
- 無償の特別対応はトラブルの元 ~過剰対応の廃止と有料化~【3.11】
正しいことをしているか
事業が不振に陥った原因は、メンバーが手を抜いていたからではありません。メンバーは努力していました。ただ、やることが間違っていました。変化が激しい時代、いつも、いま自分は本当に正しいことをしているかを自問し続ける必要があります。
2割に6割のエネルギー
設備販売員が顧客ニーズを汲み取り続けた結果、事務処理業務においても保守契約範囲を超えた業務は増え続けていました。1年目は2割の特定顧客への過剰な特別対応に対して6割のエネルギーを費やしたため、業務効率化はあまり進みませんでした。
トラブルの大半は特別対応
不適切案件や顧客とのトラブルの大半は、無償の特別対応に起因するものです。口約束の無償の特別対応は失念しやすく、高リスクです。リスクを犯す以上、見返りは必要です。顧客に標準サービス外であることを正しく認識してもらうことは最低条件です。
利他のために戦う
頑固が強みの番頭清金さんは顧客対応では窮地に追い込まれ、相手の反応に対する恐れから要求を受け入れがちです。強者と対峙する時は利他のために戦います。1対1に持ち込まず、標準サービスに満足している大勢の顧客のために戦うと勇気が湧きます。
マケられないサービス
顧客の大半は契約を十分に理解していません。また、場当たり的な修理値引きを一度でも経験した顧客との交渉は難航します。正当な理由なき値引きやサービスの無償提供は他の顧客への裏切り行為です。絶対にマケられないサービスがここにはあります。
これも集約効果
専門チーム発足前に適正対応への移行を顧客に伝えるべきでしたが不可能でした。設備販売員は過剰な特別対応をしている自覚はありません。過剰な対応は業務を集約し、顧客対応に横串を刺したことで顕在化しました。これも集約効果のひとつです。
クレームゼロ神話
無償の特別対応を廃止・有料化し、標準サービス品質を向上する戦略は、上位方針の事業コンセプトのひとつです。戦略を実行するにはクレームゼロ・特別対応有効神話への対処が必要です。その代表格が顧客全件CSアンケートによるCSの定点調査です。
特別でも何でもない
2年目には、無償の特別対応の廃止や有料化のルールが浸透しはじめ、新しいことを検討する余白が生まれ出しました。専門チームは特別でも何でもない、ただ顧客の関心事に関心を持ち考え抜いたサービスを提供していく集団に生まれ変わりました。
- to do 21:場当たり的な値引きはしない。(他の顧客への裏切り行為はやめる)
- to do 22:強者と対峙する時は、大義を掲げて利他のために戦う姿勢を見せる。
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