〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第二章.2年目のキセキ⑤
- 犠牲的な頑張りに依存しない ~サービス体制の再構築~【3.15】
犠牲的な頑張り
保守事業は周りから見れば後ろ向きな事業です。長年に渡り、関係者の使命感から生み出される犠牲的な頑張りに支えられてきました。特に現場仕事に従事する業務委託先の方々、約200名に支えられてきました。専門チーム一同、心から感謝しています。
絆が生まれる
専門チームの一人ひとりが耳を傾け、ベストを尽くし、学び、成長する情熱があれば、事業は必ず再生できます。犠牲的な頑張りに依存することなく、透明な事業を目指し、未来に残る仕事をつくりあげることができれば、自然とそこから絆が生まれます。
考えてくれている人を信頼
2年が経ち、運営基盤の強化に合わせて保守事業を少しずつでも良くしたい、相手を喜ばせたいという気持ちが芽生えていました。この人たちは本当に私たちのことを考えてくれていると感じてもらえる信頼関係を築きたいと思うようになっていました。
サービス体制の再構築
時を同じく、現場仕事委託体制の再構築に着手しました。課題は、公平で透明かつ適正な取引の推進、集約による強靭なサービス体制の確立、労働環境改善の後押しによるCS向上の3点です。担当番頭は、発足2年目のヘビロテで招集した瀬藤さんです。
3ヵ年シナリオの骨子
成長シナリオとして、新制度や新商品を開発し、事業の付加価値向上や領域拡大による収入増を前提とした3ヵ年成長シナリオの骨子を描きました。目指したのは委託先の集約、長年据え置かれた工賃や交通費の増額、デジタル化の推進です。
仕返しは杞憂に
覚悟をもって特定顧客との過剰サービスの廃止や特別対応の有料化折衝に挑みました。委託先からは顧客からの仕返しを恐れる声もありましたが、清金さんの活躍で杞憂に終わりました。休日割増料金等の設定で不要不急な依頼も抑制されてきました。
喜びを知る者から
顧客満足度を向上するために、先んじて業務委託先を含む従業員満足度の向上を目指しました。優れたCSは、仕事に満足し、喜びを知る者から生まれます。楽しく仕事をする、仕事が楽しいという状況、働き方改革、働きがいづくりを共創します。
脱!犠牲的な頑張り
委託全体会議で、顧客、当社、委託先は対等であることを公言しました。私たちはもう、犠牲的な頑張りに依存するステージを卒業します。次の世代に犠牲的な頑張りに依存しなければならないような仕事は渡さない、私たち世代でやめるということです。
- to do 29:顧客も委託先も対等であることを公言する。(共に成長する仲間)
- to do 30:CSと同時にES(従業員満足度)向上を実現することを公言する。
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