〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第一章.1年目のキセキ⑧
- 礎(いしずえ)づくり ~プロジェクト成功への7つのコンセプト~【3.08】
仮想プロジェクト
今回、MNV設備の保守業務という定常業務が大半を占める事業を10年間の有期の仮想プロジェクト業務と見なして、事業改革・再生に取り組みました。事業再生が完了した段階で改めて定常業務に戻していく計画です。
やらないことを決める
事業改革を進める上で一貫した概念や構想となる事業コンセプトを設定します。創造性にかかわるパートです。選択と集中、やらないことを決めるという強い意思が必要です。やらなくて良いことがわかるとメンバーやサービス員は道に迷わなくなります。
承認ではじめて真剣に
事業理念や事業コンセプトといった上位方針は、本来、プロジェクト開始前に準備します。大型プロジェクトであれば、プロジェクト計画書に記載し、上層部の承認を得ておきます。大半の上司は承認ボタンを押す段階で初めて真剣に内容を見てくれます。
コンセプトは走りながら
要員効率化の前提のスポット契約手続きの業務委託化も準備不足から失敗し、余力がありません。事業コンセプトはプロジェクト開始後に走りながら設定しました。
7つのコンセプト
7つある事業コンセプトの趣旨は、①コンプライアンスを武器まで高める、②公平・適正なサービスを提供する、③標準サービスの品質向上を図る、④プロセス資産(ビックデータ含む)を蓄積し活用する、⑤人や地球を幸せにするデジタル化を進める、⑥儲ける仕組みで利益を生み出す、⑦目標を持って集団で解決するというものです。
行動基準との調和
さらに基盤活動の位置づけで既に設定していた行動基準との調和も図りました。5つの行動基準の趣旨は、①本音で話そう、②事前にわかる仕事を突発的な仕事にしない、③書き出す、④達成を共有、⑤(個人の)ブランドの確立というものです。
再現性に関わるパート
今回のプロジェクトでは、事業理念や事業コンセプト以外にも、上位方針として事業ポリシー等を設定しました。事業ポリシーには、コンプライアンス安心宣言やプロジェクト憲章が該当します。これらは再現性に関わるパートです。
非再現性と再現性
コンプラ安心宣言には不適切な運用を再現させない非再現性を求めます。プロジェクト憲章には誰がやっても同じ成果が出せる仕組みづくり、再現性を求めます。プロジェクト憲章は事業承継を兼ね、若手の白石さんが専門チーム発足4年目に制作しました。
- to do 15:事業コンセプト(事業構想)を設定する。上層部の承認を得る。
- to do 16:行動基準を設定する。(推奨する基本行動や心得を明らかにする)
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