〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第三章 3年目のキセキ③
- 透明性の欠如の怖さを知る ~ルールとアウトルックと約束~【3.22】
透明性を愛する
専門チーム発足後まもなく、透明性の欠如が事業収支やコンプラ意識、関係者の満足度を悪化させる真因だと気づきました。当時は様々なことが不透明でした。そこで本気で透明な事業、透明性を愛する文化を築くという綺麗ごとを目指しました。
文化は仕組みで築く
先行き不透明感や工賃据え置き、当社社員の悪魔のささやき、過剰な特別対応への対処などを背景とした委託先の意識低下は十分理解できます。悪い文化は澄んだ水に墨を落とすように広がります。文化は風土とは異なり意識して仕組みで築くものです。
相手と並走する
リーダーは相手の情報量に合わせて、常にわかりやすい言葉で自分の考えを伝えなければなりません。一度では伝わりません。相手と並走する感じで何度も伝えます。担当番頭の瀬藤さんは伝える力に長けており、トラブルを起こさない優秀さがあります。
情報開示で信用は高まる
情報を透明にすれば、人は本来の才能を発揮し、組織に貢献しようとします。委託先に対しても情報を開示すればするほど信用は高まり、協力関係が築けます。良い情報だけではなく、課題も共有することで共同経営に近い感覚を持つようになります。
より少なく、より良く
組織はルールを守ることで健全に回ります。ルールがあって初めて自由は最大化します。ルールづくりも、より少なく、しかしより良くを追求します。最低限のルールを合意に基づき決めます。2年目には番頭の國武さんがペナルティー制度を整備しました。
透明性で絆は生まれる
3年目以降、事業の中長期見通し(アウトルック)を開示し、諸経費や工賃を約束通り改定しました。お互い不適切処理がなくなっただけでなく、要員計画も立てやすくなり、共栄の不安材料がひとつなくなりました。透明性を維持すれば絆が生まれます。
迷ったら困難な方を選ぶ
透明な事業を目指す象徴として、専門チームはコンプライアンスを武器まで高めるという困難な道を選択し、委託先を含めたすべての社内関係者と協力して成し遂げました。迷った時は困難な方、選択肢が増える方を選べば中長期的にみると大体正解です。
後手に回ると自転車操業
対応が後手に回ると自転車操業の様な状態に陥り、ミッションやビジョン、価値観はおざなりになり、心地悪い雰囲気がチーム内にまん延し始めます。透明性の欠如の怖さを知る専門チームは、いつしか誰が見ても健全で透明な事業を築きあげていました。
- to do 42:どちらにするか迷う時は、困難な方、選択肢が増える方を選ぶ。
- to do 43:委託先にも情報開示する。(事業の中長期見通しを共有する)
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