〔秘伝書②〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード2/売れっこないもの売ってみた ~ダメそうなこと+だからいい~」
- 第一章.土台づくり①
- 本当に売ってもいいのかな ~MNVトレイル系列3社トップ会談~ 【2.01】
うまくいかない事業
走行時に汚れた排気ガスを出さないクリーン燃料:n–アロモニア(架空)で走る環境車の普及、通称NAVi事業は15年前に華々しく始まりました。しかし、5年後に発覚したひとつの不適切事案以降、誰がやってもうまくいかない事業に凋落しました。
出口の見えない低迷
MNVトレイル社関西支部のNAVi事業は、組織再編の度に数合わせで所属部署をたらい回しされ、同じ課長が2年務めることは稀です。更に近年、課から係に降格されました。小利口な人ほど出来ない言い訳が多く、出口の見えない低迷を続けています。
無理を承知で引受ける
201X年、関西支部はNAVi事業を大阪南支社営業第一課に移管しました。経営陣は停滞している理由は明らかだからこそ、営業経験はなくとも、頼まれれば無理を承知で引き受け、創意工夫する私、小鹿に新生営業第一課長の白羽の矢を当てました。
失うものは何もない
後田支社長から「事業を見極めてほしい。失うものは何もない。悔いのないように打てる手はすべて打ってほしい」と告げられました。希望の光、超大型NAViのメーカー車の販売開始以降、毎年提案ターゲット巡回率100%達成も成約は未だゼロです。
猫の死体はなぜ売れた
副題は当初「猫の死体はなぜ売れた」でした。悪意はありません。伝統楽器三味線の音色を決める革の材料には猫革が使われています。猫革にしか出せない音色があります。希少価値があります。NAViはそのくらい魅力もあるが覚悟もいる商品です。
付加価値をつける
本社や他支部も成約ゼロを重ねています。事業に意味を見出せず、売る気がないようにさえ見えます。そんなとき経営陣に意味を直接聞く人は少数です。直接聞けない場合も含め、最後は自分が納得する意味を見出し、付加価値をつけて意味を仕上げます。
トップ会談の事務局
着任後の大仕事は本社と中部支部の経営陣も含めてNAVi事業スタンスを聞くことでした。3社トップ会談の事務局を務め「事業環境は厳しいが社会貢献も鑑みて超大型貨物車の大量導入を事業回復の柱に頑張ろう」という結論が関西の地で出ました。
売れっこないを売る
本当に売ってもいいのかな?という疑念を払拭した今、売れっこないものを売る、心底楽しい日々が始まりました。付加価値は実践知を集めた営業指南書づくりです。超大型NAViを売ることができれば、これから先どんな商品でも楽に売れるはずです。
- to do 01:仕事の意味を上司に直接聞く。自分で付加価値をつけて仕上げる。
- to do 02:問題解決は呼びやすい人でなく、解決できる人を恐れずに集める。
コメント