〔秘伝書②〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード2/売れっこないもの売ってみた ~ダメそうなこと+だからいい~」
- 第四章.3年間のキセキ⑨
- 侮るなかれ上級舎弟力 ~気遣いと気配りと◯◯させていただきます~【2.48】
思考停止系の人
「させていただく」は「させてもらう」の謙譲表現で、相手の許可のもとに自分の行為や動作をさせてもらう言葉です。相手に失礼のないよう配慮していることを表現できる非常に便利な言葉です。思考停止系の人は「させていただく」を使いたがります。
させていただく症候群
これが「させていただく症候群」です。多用しすぎると幼稚な印象になるため注意が必要です。誤用も非常に多く、例えば「お伺いさせていただきます」という使い方は二重敬語で誤りです。「お伺い」は行くの謙譲語、「させていただく」も謙譲語です。
時短にもなる
「メールを確認させていただきました」など相手に許可を得る必要がない場合も 「させていただく」は使用しません。させていただきます症候群を直すためには「させていただく」を「いたします」に言い換えます。文字数も少なく、時短にもなります。
私がやっておきます
「私がやっておきます」や「何か準備しておいたほうがいいことはありますか」という魔法の言葉があります。気配りの一言です。相手の仕事のスケジュールに対する理解も必ず相手への気遣いとなって行動の端々に現れます。信頼される人の共通点です。
舎弟力の達人北山さん
チームNAViの営業担当のなかには、上級舎弟力の達人、北山さんがいます。気遣いと気配りの達人です。披露会でもあっという間にキーパーソンを見つけ出します。フォトアルバムに映っている商工会の重鎮と北山さんはどこから見ても舎兄と舎弟です。
ささせていただきます
教授、配布、啓蒙などは使うシーンを間違う人もいます。北山さんは間違った「させていただきます」の使い手でした。帯同営業時、約束の時間に遅れそうになり、電話しました。「すみません。渋滞に巻き込まれて30分ほど遅れささせていただきます」
気遣いと気配り
電話から15分後、到着し「今日は、こささせていただきありがとうございました」から商談は始まりました。訪問先から「交通事故があったみたいですね。大変でしたね」と労われました。言葉遣いと相反し、気遣いと気配りで商談はすこぶる順調です。
上級舎弟力の進化
営業活動縮小を余儀なくされた後、上級舎弟力の達人は、設備販売課に異動しました。数年後、花形の販売課に引き抜かれました。「させていただく」も上手に使いこなせるビジネスパーソンになったようです。上級舎弟力の進化が今後も見逃せません。
- to do 95:顧客や上司には気配りの一言(私がやっておきますなど)を使う。
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