〔秘伝書②〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード2/売れっこないもの売ってみた ~ダメそうなこと+だからいい~」
- エピローグ【2a9】
本稿は、チームNAVi発足から3年後に小鹿課長が書いた著書「超大型NAVi普及推進活動の軌跡〜チームNAViの奇跡〜」の「はじめに」からの転載です。
願いを込めて
本書のタイトル「超大型NAVi普及推進活動の軌跡〜チームNAViの奇跡〜」には「奇跡が起きてほしい」という願いが込められています。たくさんの人が「奇跡は起きる」と信じ、起こしたい奇跡を「鮮明にイメージする」ことが出来たとき、奇跡は起きます。イメージした奇跡は、本書に引き寄せられるかのように少しずつ近づいてきました。
軌跡と奇跡
ついにこれまで 「大きな奇跡」は起きませんでしたが、チームNAViは一丸となり、「確かな軌跡」と「小さな奇跡」を掴むことができました。COVID-19のように、この先何があっても不思議はありません。いつの日か、奇跡は起こるかもしれません。「脱原発」のように「ディーゼル車の粒子状物質(PM)」に対して日本国民がヒステリックな反応を示し「超大型NAVi新時代」が到来する可能性はゼロではありません。備えはしておきます。
失うものは何もない
201X年、「NAVi事業を見極めてほしい」「失うものは何もない。悔いのないように2年間、打てる手はすべて打ってほしい」と勇気づけられ、本気で超大型NAViの大量導入を目指しました。「事業のV字回復を果たした物語の書籍化」を公言し「鮮明なイメージ」を描き続けました。本書の目次一つひとつにそれぞれ1ページには収まりきらないチームNAViの物語があります。
顧客は今も実在
201X年当時、社内外のNAVi関係者の大半は既に普及拡大を諦めているかのようでした。しかし、喜んでNAViを利用している顧客は確かに存在し、今も実在します。
猫の死体はなぜ売れた
本書のタイトルは当初「超大型NAVi普及推進活動の軌跡~猫の死体はなぜ売れた?~」でした。超大型NAViを「猫の死体」に見立てました。「猫の死体」には希少価値があります。伝統楽器「三味線」の音色の要となる「革」の材料には猫革が使われています。猫にしか出せない音色があります。悪意はありません。そのくらい魅力もあるが覚悟もいる商品です。そして「売れっこないものを売る」という心底楽しい日々が始まりました。(当時「動物愛護団体から叱られますよ」と言われて、この副題は消えました)
課題は山積み
超大型NAVi大量導入に向けた活動を「10年プロジェクト」として3つのフェーズに分け、シナリオを描きました。「Ⅰ.プロジェクト目的の共有」「Ⅱ.マイナスからのチームづくり」「Ⅲ.新たな価値の付加」「Ⅳ.事業スタンスの共有」「Ⅴ.ステークホルダーとの関係深化」「Ⅵ.営業手法のスパイラルアップ」「Ⅶ.逆風と追い風」「Ⅷ.大量導入への布石」と課題は山積みでした。
手土産一つにも意味
特に当時のNAViの営業は全国的に「懇願一本槍」でした。「懇願」から「地元行政への新たな価値の打込み」へのシフトが、ついには「高度な営業手法の確立(運送事業者の経営課題を解決するNAVi)」に繋がりました。手土産一つにも意味を持たせ、業界全体の意識改革を進めました。
小さな進撃は続く
当社は、近畿4府県に加えて、その他10県の運送事業者の本社営業に駆け回り、ツールを駆使した「全員営業」で超大型NAVi全国累積153台中92台(管内41台、他支部管内51台)の導入に関与しました。事業者主導の51台を除くと実に90%の導入に貢献しています。小さな進撃が続くと、運送事業者や補助金関係団体等から一目置かれる先進的企業となりました。大量導入の兆しは確かに現れていました。
どんな商材にも横展開
「NAVi information」「試乗会・披露会・廃車式」「試乗会レビュー」「相手が動く提案資料」「導入診断レポート」「導入実践マニュアル」「導入者PR事例集」「広告掲載費申込書・早期予約制度」「行政とのレジリエンス連携」「大手運送事業者とのアライアンス」「お客様紹介アンケート」「NAViファンづくり」などいずれもどんな商材にでも横展開できる中身の濃い成果です。
心残りはない
NAVi事業回復の柱とした超大型NAViは、製造販売会社の事情で今後2年間製造に大きな制約が付きます。直近2年間でも超大型NAViがほしいという当社管内の3社に車を売らない等、普及に慎重な姿勢であったNAVi製造販売会社が、一層消極的になり「超大型NAViの大量導入は事実上不可」となりました。実質的に売る車がありません。チームNAViは戦略的な活動縮小を余儀なくされます。しかし「悔いのないように打てる手はすべて打った」と100%断言できるため、心残りはありません。
今を大切に前進
チームNAViには、今回の活動縮小の機会を「より高く、大きくジャンプするために一度縮む」「成長のために大いに凹む」と捉えてほしいです。これから少数精鋭でNAVi燃料充填所の維持管理に創意工夫していく道のりは、新たな設備の維持管理にも必ず活きてきます。今もNAViを利用している顧客と誠実に向き合い、今後10年以上事業を守り続けることが「MNVトレイルブランドを守る」ことに繋がります。長年に渡り厳しい事業環境下でも前向きに取り組んだことで得られた、唯一無二の経験を活かし、これからも「今を大切」に前進してほしいです。
届けメッセージ
何度も凹んだり、少し褒められたり、大いに喜んだり、最後に悲しんだりと学ぶことの多いプロジェクトでした。「売れっこないものを売ろう」としたチームNAViの3年をまとめたものが本書です。本文のない「目次」と「成果物」という形でまとめました。一人でも多くの方の心にチームNAViからのメッセージが届くことを願っています。最後にこれまでチームNAViを応援・支援いただき、本当にありがとうございました。そして、これからも応援いただけるとうれしいです。
202X年チームNAVi代表 小鹿 輪
コメント