〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第六章.5年間のキセキ⑤
- スピーチの極意 〜4%に期待しない〜【3.49】
有能無能に関係なく
スピーチは、他人の大切な人生時間を奪う側面もあります。スピーチが恐ろしいのは、人としての有能無能やスピーチ能力の有無に関係なく、役割として順番が回ってくることです。私も課長になって以降、役割としてスピーチをする機会が増えました。
文章は操るもの
私は話すより書くことを好みます。しかし、どんなに良い文章を書けても、読んでもらい、聞いてもらい、広く受け入れられない限り、言葉の効力は限定的です。組織を動かせません。文章は書き、読み、そして操るものであることを幾度も痛感しました。
察する力
スピーチでは、自分が話したいことを話すのではなく、相手が聞きたいことを話すのが極意です。スピーチに一番必要な能力は「話す力」ではなく、参加者が何を聞きたいかを「察する力」でした。「話し上手は聞き上手」という一言を肝に銘じました。
口下手なりの説得力
聞くことや察することは、話すことよりもずっとエネルギーがいります。しかし、その分、話すための勇気が得られます。静かな口調でもそのまま押し通すことが逆に認められ、信用されるという、口下手なりの説得力を実感することも多々ありました。
自分と関係があるか
自分が話したいことは話さず、相手が聞きたいことを話す、この考え方は万能です。企画書や提案資料、小論文もすべて自分が書きたいことを書くのではなく、相手が読みたいものを書くのが極意です。相手に如何に自分と関係があると思わせるかが鍵です。
体験型のスピーチ
ビジョンや活動方針の落とし込みは楽です。お題を自分で決めるスピーチが一番厄介です。「時間を無駄にした」と思われないように、私は2年目以降はその場で実践できるもの、経験になるもの話すという体験型のスピーチをするように心掛けました。
4%、むなしい真実
人は聞いたことを後で一度でも実践する人は5人に1人、それを継続する人はさらにその5人に1人だそうです。最初から数えると25人に1人、4%です。スピーチする側、聞く側にとって悲しい事実です。だから私は4%に賭けることをやめました。
場があることは幸せ
今もスピーチ嫌いは変わりませんが、考えを聞いてもらえる場があることは幸せなことです。意味あるスピーチかどうかは書き起こせばすぐわかります。今も、背景や中身、今後の見込みなどの骨子だけでも書き出したメモを用意してスピーチに臨みます。
- to do 95:スピーチは相手が聞きたいことを話す。(話したいことは話さない)
- to do 96:意味のある発言をするため、しっかりメモを用意してから話す。
コメント