〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第三章 3年目のキセキ⑧
- デジタル化の目的はペーパーレスにあらず ~デジタル化全体構想~【3.27】
デジタル環境の再構築
働き方改革の狙いのひとつは組織の生産性向上です。今後、働き手不足や働き方に制約がある社員の増加が見込まれます。人による定型的な作業の自動化と合わせて、現状の非効率なデジタル環境の再構築、業務プロセスや成果の見える化が急務でした。
デジタル化全体構想
ビジョン策定から8か月後、次世代サービスに必要なデジタル環境の構成要素(ハード・ソフト、クラウドサービス、ネットワーク、モバイル端末、セキュリティ、運用等)の統合的な解決策と実行スケジュールを示すデジタル化全体構想202Xを策定しました。
利益を生む顧客の優遇
デジタル化により実現するサービスづくりの肝は、利益を生む顧客の優遇です。そのため、リーダーは顧客対応を行なうチームの班長、業務効率化の匠である20代の藤田口さんが担いました。デジタル化全体構想はカラーイラストで鮮明に描かれました。
電子で代替できない?
「電子が基本、紙はオプション。それって電子で代替できないか」を合言葉にペーパーレス化を推進しました。しかし、デジタル化の目的はペーパーレスでもRPA化でもありません。目的は業務プロセス刷新と人口知能(AI)導入への備えに他なりません。
楽をすることは美徳
楽をすることは美徳です。ITを活用し、生産性が上がる勝ちパターンを見出します。業務プロセスの刷新には、正しく減らす技術が必要です。正しく減らすためには、見極める、捨てる、仕組み化です。今あるものをそのままデジタル化しても無意味です。
業務の非効率さを解消
人的なコンプライアンスリスクは、電子契約手続き化で軽減できます。サービス利用者の利便性を考え、ナレッジ・マネジメント環境を構築します。必要な情報を即時に入手できるようにします。知識や経験のバラつきによる業務の非効率さを解消します。
デジタル化を急進
電子決裁化を進めつつ、故障診断AI化を見据えたデジタル作業報告書、自動応答を見据えた社内Web受付、外部委託を見据えたコールセンター機能の導入というデジタル化3施策に着手し、藤田口さんと谷園さんの活躍により5年目に実装できました。
不要不急の電話が減る
デジタル化により不要不急の電話が減り、仕事に集中できるようになりました。突然の電話は時間と集中力を奪います。作業をどこまで進めていたか忘れ、考えていたことを思い出すのも手間です。デジタル化の一番の功績は電話が減ることかもしれません。
- to do 51:ペーパーレス化は「電子が基本、紙はオプション」と割り切る。
- to do 52:未来の構想はカラーでイメージできるくらい鮮明に描く。
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