〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第一章.1年目のキセキ⑤
- 学習する組織 ~ビックデータ活用とヘビーローテーション~【3.05】
長時間労働に苦しむ
当初は、準備・経験・要員不足や長年に渡る不適切運用・過剰な特別対応に起因した長時間労働に苦しみました。赤字体質を根本から解消し、黒字体質な事業を構築するための改革には、組織文化、仕組み・制度、IT技術活用の3つの視点が必須です。
尊敬・尊重しあう文化
チーム発足直後から学習する組織を目指しました。時間がかかっても良い組織文化をつくること、多様性を認め合い、互いに尊敬・尊重、受容しあう文化を目指した結果、チーム内に心地よい雰囲気が生まれ、様々な改革と仕組みが結びつきました。
ビックデータを整備
学習する組織には、データベースが不可欠です。事業の基礎データや設備毎の作業実績というビックデータの整備に着手しました。事業概況は毎年改定します。後に、ビックデータを活用したサービス員のサポートシステムが急速に充実していきます。
プロセス資産の共有
つぎはEメールを含めた社内外重要文書の付番です。付番の目的は文責を明確にすることとプロセス資産の共有です。いつ誰が着手したかやタスク進捗のモニタリングも可能となります。これにより、停滞するタスクをタイムリーに支援することができます。
学ぶ姿勢とパワーを伝える
スキルアップ勉強会は5年間で50回、好き勝手に主催しました。勉強会は仕事に直接繋がらなくとも、間接的に活きてくれば十分です。勉強会の目的は、知識やスキルの習得だけではなく、リーダー自らが手本となり、学ぶ姿勢とパワーを伝えることです。
切磋琢磨する組織へ
専門チーム内の分科会でも、メンバーが輪番講師となり、自分の知識やスキルを教えあう勉強会が自然に発生しました。私も聞き耳を立てるときがあります。教えあうことやチーム学習を通じてお互いが成長していく、切磋琢磨する組織へと変貌しました。
押し付けてもダメ
仕事を進めるにあたっては、メンバーを巻き込む仕組みや制度をつくります。IT化の推進は、ITの活用という手段が目的化してしまうことがあります。単純に道具を押し付けてもうまくはいきません。リーダーがそこに気づけるかが、IT化の成否を分けます。
番頭を大胆に交代
学習する組織になると番頭を大胆に交代できます。ノウハウが属人化せず、組織に蓄積できるためです。常時2〜3名いる番頭は5年間で8回交代しました。番頭が持つそれぞれの強みを仕組みに反映した結果、チームの戦闘力は劇的に向上していきました。
- to do 09:基礎データ集、事業概況を策定する。資料も付番し、資産化する。
- to do 10:勉強会を主催する。(スキルに加えて、学ぶ姿勢とパワーを伝える)
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