時には嫌われる、それがどうした【3.03】

秘伝書・エピソード3

〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」

  • 第一章.1年目のキセキ
  • 時には嫌われる、それがどうした ~クレームゼロ神話の罪~【3.03】

異文化人がやってきた

後田支社長から「設備販売を担う他支社が『保守を集約したのに異文化人の新任課長は今までやってきた顧客対応をまったくやらない。小鹿課長は保守に興味がない』って言っているけど大丈夫?」と問われました。物事を変えるときは必ず揉めます。

どうせ最後は好き嫌い

私の考えは「事業改革にはこれまでの延長線上ではダメ。今まで通りでいいなら専門チームを創った意味も私が課長をやる意味もない。私を取り巻く360度全員から一旦敵視されても構わない」でした。味方半分、敵も半分。どうせ最後は好き嫌いです。

不振事業たるゆえん

新しいことを始めるには何かをやめて余白をつくったうえで始めないとうまくいきません。不振事業が不振事業たるゆえんは実は一番大切な価値観が間違っていることです。間違った価値観に基づいた努力、間違った行動は残念ながら成果に繋がりません。

とにかく顧客には謝罪

当時の価値観はクレームゼロでした。顧客が不快な思いをしたらとにかく謝罪し許しを乞う。要望はとにかく聴き、特別対応することが善でした。顧客が何度言っても部下を現場に派遣しない新課長は保守に興味がないように見えるのは当然です。

顧客をみくびらない

新しい価値観は「クレームや不満の声を歓迎、標準サービスの向上」です。顧客の目を見くびらないことです。目先の僅かな見返りよりも将来の利益を重視すべきです。標準対応している他の顧客の対応を遅らせ、ツケを回すことに正当性はありません。

トップの賛同が必須

改革は、支社長や部長級の賛同なくしては実現しません。有能無能に関係なくトップの賛同がなければ、組織改革は絶対にうまくいかないものです。必ず賛同を得ておく必要があります。(幸い後田支社長はとても有能な方でした)

新しい価値観に賛同

契約外の要望に謝罪に行く暇があれば、標準サービスをどう上げるか、声を出さない顧客の声をどう聴くか、黒字体質な事業をどう構築するかを考える新しい価値観は、支社長の賛同を得ました。以降、清金さんの外出は支社長の許可制となりました。

仮説は立証される

過剰な特別対応の廃止や有料化は、MNV保守事業全体の顧客満足度と連動しないという仮説を検証するため、翌年から顧客全件CSアンケート調査を始めることになりました。後に、定点調査の結果、私たちの仮説は立証されることになります。

  • to do 05:異文化人を混ぜる。(電子レンジにオーブン機能を足して熱する)
  • to do 06:間違った価値観を捨て、やらないこと、まずは余白をつくる。

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