〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第一章.1年目のキセキ④
- 未来ある仕事に人は集まる ~錯覚力としてのデジタル化推進~【3.04】
過酷すぎる労働環境
MNV保守事業は、20年超の実績を誇ります。当初より、現場仕事は業務委託していましたが、炎天下や土日祝日作業、長時間勤務、カス・ハラなどの過酷な労働環境と働きがい不足からサービス員、特に若手の採用や定着に大きな不安を抱えていました。
サービス員離反で崩壊
専門チームの前進組織の元番頭、渡角さんは「顧客にサービスを提供するサービス員がいなくなれば、保守は成り立たない。保守がなければ設備も売れない。設備販売や保守事業は一瞬で崩壊する」と幾度も熱く語っていました。収支問題より深刻です。
思いやりは最大の武器
渡角さんの言葉を心に刻みました。事業を最前線で支えるサービス員を守ることを本心の本心から洗脳し、揺るがぬ信念としました。サービス員に限らず相手の立場で思いやることは最大の武器です。すべてのことが予想外にうまくいくようになります。
デジタル化で思考の錯覚
ひとつでも優れている特長があれば、全体的に優れているというイメージに変換されることがあります。そこでデジタル化を進めることで一旦、給与も環境も何もかもが優れているように見せかけるという思考の錯覚をつくる取り組みを始めました。
職場見学まで持ち込めば
委託先会社の社員証づくりやセキュリティ向上、作業報告書電子化等により変化が起きました。過剰対応やカス・ハラ減少も一因ですが、デジタル化進展によりサービス員の離職増加を食い止め、職場見学まで持ち込めば採用に至る確率も高まりました。
未来ある仕事に人は集まる
デジタル技術を取り入れた未来ある仕事に人は集まります。他業界に遅れることなく、人や地球を幸せにするデジタル化を進めたことで内外にMNV保守事業が完全AI化できない誇りある職人仕事、未来に残る仕事であることを示すことに繋がりました。
何もかもが良くなりだす
思考の錯覚によりサービス員が定着したことでサービス品質は向上し、高くても売れる優良サービスづくりは加速しました。収支が回復傾向となったことで委託費や手当の増額、労働環境の整備・改善は進み、本当に何もかもが良くなりだしました。
誇りある職人仕事へ
地道に実力をつけるより、思考の錯覚を利用した方が早く実力がつく場合があります。サービス員の離職という危機を克服しつつある今、専門チームは、MNV保守事業を未来に残り続ける誇りある職人仕事とする決意を固めました。次は育成のサポートです。
- to do 07:思いやりの言葉を公言する。(思いやることは最大の武器となる)
- to do 08:優れた特長を1つつくる。(全体が優れているという錯覚になる)
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