〔秘伝書②〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード2/売れっこないもの売ってみた ~ダメそうなこと+だからいい~」
- 第四章.3年間のキセキ⑥
- 敵ながらあっぱれ、交渉上手と思わせる ~他社燃料充填所の閉鎖阻止~【2.45】
NAVi離れが加速
NAVi燃料充填所の閉鎖がNAVi離れを加速させています。超大型NAViが大量導入され、燃料充填所が増えるまで超大型対応のNAVi燃料充填所を死守します。他社経営のNAVi燃料充填所の事業継続が超大型NAVi普及拡大の鍵を握ります。
いきなり譲歩
NAVi事業が営業第一課に移管される直前、幹線道路上にある他社経営の重要NAVi燃料充填所の閉鎖危機が起こりました。交渉経験が浅い者がいきなり譲歩し、5年間、赤字相当額を補填するという工夫のない、誠に残念な合意に至っていました。
親会社とも直接交渉
1年半後、新たに重要NAVi燃料充填所の閉鎖危機が起こりました。事業環境が悪化するなか、前回と同じ手は使えません。タフな交渉です。創意工夫します。NAVi燃料充填所の運営会社だけでなく、親会社とも直接交渉します。中部地区へ遠征です。
使えるものは使う
親会社とは、n‐アロモニアの原料を一部共同輸入している関係性がありました。使えるものはなんでも使います。相手の株式を所有している、構内で相手の商品を定期購買している、その自動販売機を置いているなど、どんな小さなことも見逃しません。
利害を生々しく伝える
交渉開始です。自組織や相手組織の利害を生々しく伝え、印象づけます。具体的に言うことです。具体的で詳しければ説明に信憑性を与えるだけでなく、迫力も加わります。相手を思いやることは一番の武器です。相手が非難に晒されることから救い出します。
チキンレースに巻込む
重要なNAVi燃料充填所であるが故、閉鎖が市場のNAViに与える影響は計り知れません。国の基本計画に記載あるNAVi普及のブレーキを踏む行為とみなされ、業界全体から非難されるリスクを認識してもらいます。チキンレースに巻き込みます。
人を動かすのはロマン
交渉をリードできなければ損な取引は必至です。手順省略と見切り発車も禁物です。あらゆる可能性を模索し、検討を重ねます。交渉で大事なのはテクニックではなく考え方です。最後に人を動かすのはロマンです。超大型NAVi大量導入の夢を語ります。
次も取引したい
交渉下手な相手とは例え得してもまた取引をしようと思いません。逆に相手が交渉上手だと「しっかりと交渉する会社なら安心。次もこの会社と取引したい」と思われます。閉鎖危機にあったNAVi充填所の継続が決定しました。原資投入はありません。
- to do 89:どんな小さな武器も見逃さず、交渉に使えるものはなんでも使う。
- to do 90:次も取引してもらうため、敵ながらあっぱれ、交渉上手と思わせる。
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