〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第四章 4年目のキセキ②
- 10人いれば10人正しい ~後方支援のあり方と仕組み化~【3.30】
トラブルが多発
専門チーム発足当初、設備販売員との間には顧客対応に関するトラブルが多発していました。販売員は昔は自らが保守業務を担っており、MNV設備更新や開発を勝ち取るために行なっていた過剰な特別対応を今も専門チームに求めてしまうからです。
第一の営業貢献は安定運営
MNV保守事業はMNV設備販売事業の付随事業であるため、常にMNV設備販売への営業貢献を意識しています。ただし、営業貢献とは第一にMNV保守事業の安定運営、顧客満足度の向上であり、第二が特定物件のMNV設備更新や開発への貢献です。
すべて大事な重要顧客
設備販売員は「自分の顧客だけは特別対応をしてほしい」「設備更新や開発できなかったときの責任がとれるのか」と主張してきます。販売員の主張は真っ当です。販売員にとって自身の顧客がすべて大事な重要顧客であることを疑う余地はありません。
部分最適と全体最適
大事なことは部分最適と全体最適が繋がっているかです。コンプライアンスは、部分最適の積み重ねが全体最適につながります。しかし、営業活動では、組織として最もパフォーマンスを発揮する、最大の成果を上げるという全体最適からの詳細化が必要です。
各課長が俯瞰し、厳選
MNV保守事業は要員を半減しており、余力はありません。過剰な特別対応の営業貢献への効果検証も出来ていません。そこでMNV設備販売部門の各課長が俯瞰し、効果のある特別対応のみを厳選し、対応状況を見える化する新たな仕組みを構築しました。
優劣が明らかに
見える化により、対応件数と投入経費が明確になりました。結果的に対応件数は100件/年未満、ミニロト1等金額程度まで減少しました。皮肉なことに減額に頼る設備販売員と提案力で勝負する設備販売員が明確になり優劣が分かりやすくなりました。
武器を増やし続ける
ビジョンを示し、事業収支や顧客満足度の改善効果が具体的に表れ出したころから、MNV設備販売部門との関係性は日に日に改善していきます。保守メニューを自発的に拡大し続け、設備販売員が提案できる武器を増やし続けたことも関係改善の一因です。
誰にだって解釈の自由
誰にだって解釈の自由はあります。あなたと同じようにその自由は目の前の人にもあります。10人いれば10人正しいと考え、相手の言い分をいかに言わせるかが肝です。相手の感情に100パーセント共鳴すると相手は最大の協力者になってくれます。
- to do 57:全体最適で考える。コンプラだけは部分最適の積み重ねで考える。
- to do 58:特別対応は、上長の決裁を必要とする仕組みにし、見える化する。
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