〔秘伝書③〕「不振事業の再生。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード3/赤字から稼ぐへ ~「高くても売れる」超優良サービスづくり~」
- 第二章.2年目のキセキ②
- ヒントは顧客の頭のなかにある ~CSアンケートWeb調査~【3.12】
施策はメッセージ
事業再生に最も貢献した施策は、顧客全件CSアンケートです。特定顧客への過剰な特別対応に多くのエネルギーを費やす状況から、すべての顧客の満足度向上を優先するマインドへの切り替えを後押ししました。施策は最も分かりやすいメッセージです。
不平や不満は贈り物
企業は毎年10%の顧客を失うそうです。新規顧客の獲得コストは既存顧客維持の6倍もかかるそうです。離れていく顧客は警告を発します。不平や不満は顧客からの贈り物です。顧客の信頼を得るまたとない機会であり、市場が求める戦略を生み出せます。
何もしなければ逆効果
不満を聞くことは相手に解決への期待を抱かせるため、フォローが不可欠です。何も手を打たなければ逆効果にさえなります。CS活動とはCS調査自体ではなく、集めた情報を活用して商品やサービスの品質向上を図り、顧客に再び契約を促すための活動です。
耳が痛い話は聴けない
CS活動は不満足の処理と予防、満足と大満足の提供の二つに大別できます。第一に担当者のフィルターがかかっていない顧客の声を集める多様なルートを整備します。担当者やサービス員が任意で顧客に手渡しするアンケートでは耳が痛い話は聴けません。
声を出さない顧客の声
そこで、日頃の活動や現場仕事委託先巡回に加えて、CSアンケート調査に踏み切りました。運営組織の課題や強みを可視化できます。すべての顧客との接点を持ち、クレーマーに加えて、普段は声を出してくれない顧客の生の声を聞くには勇気がいります。
ヒントは顧客のなかに
顧客は常に正しくはありませんが、ヒントは顧客の頭のなかに隠れています。本音は分かりにくくとも定点調査で変化は掴めます。顧客の関心事に関心を持ち、声を集め続けます。そうするとアップグレードや他のサービスを販売できるチャンスが増します。
顧客感動度を高める
優位性の鍵は、顧客への感動と信頼の価値提供です。顧客満足度を超える顧客感動度を高めます。当たり前品質に魅力的な感動品質が加われば、顧客の評価は「ありがとう」から「さすが」「しびれ」「すばらしい」「そこまでやるか」に変わります。
品質とCSは表裏一体
顧客を起点としたサービス品質向上とCS活動は表裏一体です。品質とは、商品×業務プロセス×従業員の3つの項目の掛け算です。後に専門チームは、顧客視点で3つの品質を改善し、標準サービスと周辺サービスを着実に深化・拡大させていきました。
- to do 23:改革は掛け声だけでなく、施策の力を使ってわかりやすく伝える。
- to do 24:顧客の生の声、一次情報を集める多様なルートを整備する。
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