〔秘伝書②〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード2/売れっこないもの売ってみた ~ダメそうなこと+だからいい~」
- 第二章.第4節.クロージング①
- 前提条件付きクロージングの効用 ~広告掲載費申込書+早期予約~【2.26】
提案は仮説の話でする
交渉は譲歩し合って初めて前進します。提案は「もし」で切り出し、「その場合には、〜させていただきます」と仮説の話で続けます。特に譲歩する場合は説得力のある理由をつけないと不信感を抱かれるか、大安売りをしていると思われるのがオチです。
相手は警戒している
相手は潜在的に警戒しています。好条件を出されてもそれが限界の好条件か分かりません。相手の譲歩には感謝を伝えますが、即座に受諾しません。新しい条件をひとつ加えることで「条件は限界に近いものでかなり頑張ってくれている」と感じてくれます。
ひとつの優しさです
新しい条件を追加しない場合でも、一旦、考えるフリをします。相手に「もっと良い条件で合意できたのでは」「譲歩し過ぎたかな」と後悔を抱えたまま取引を終わらせないこともひとつの優しさです。ここで、さらなる譲歩を引き出せることもあります。
紹介アンケートの協力
春田運輸の専務とは、車両導入の意思決定前に、納車後に広告掲載費を供することを約束しました。条件は車両へのNAViのPR表示と関西エリアの燃料充填所を一定期間利用することです。限界を示す追加条件はお客様紹介アンケートへの協力です。
歯科予約のすっぽかし
歯科予約のすっぽかしを費用なしで減らす方法があるそうです。スタッフが診察カードに書いていた日時を患者本人に書いてもらうだけです。自らが日時を書く、能動的なコミットにより、日時を守ろうとする一貫性が働き、すっぽかしは2割減ったそうです。
翌年度は振出しに戻る
相手が予算を確保できなかった場合や納期の都合上で、今年度中に納車できないときのクロージングが上手くできません。話しは断ち切れてしまい、翌年度は振り出しに戻ってしまいます。解決策として広告掲載費申込書の早期予約制度を創設しました。
本音探りとリスク軽減
本音を探りたいときにも使えます。相手のリスクを軽減する条項を記す配慮もしておきます。広告掲載費は先行者応援のため年々減額し、応分を納車式などの協賛金に充てる計画です。翌年度分を早期予約すると、広告掲載費の同条件の維持が約束されます。
わかりました。もし・
超大型NAVi導入を意思決定されても、断られても「わかりました。もし」と答えます。次の手は、紹介アンケートか早期予約制度です。口約束には意味も効力もありません。条件付きクロージングをすることで両者とも将来の展望を描きやすくなります。
- to do 51:口約束ではなく、決定権者が契約意思を記せるツールを用意する。
- to do 52:成約に辿り着けない場合は、前提条件付きでクロージングする。
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