市場価値を高めるキャリア形成【1.29】

〔秘伝書①〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則　エピソード１／人類の祖先、木登り下手説　～創意工夫はやがてみんなを豊かにする～」

キャリア、大卒

私の社歴上の入社区分はキャリア、大卒です。そんな私が課長になったとき、育成面で決め事をしました。昇級試験の必要資格がうっかり足りないというミスはしない、社外研修の参加機会を提供する、惜しまれて会社を辞めていく人材づくりの３つです。

激変する時代、必要な資格は日々変わってきます。資格に限らず必要な知識を都度、効率的に取得することは大切です。資格難易度に応じてこれくらい勉強すれば合格できるという勘所があると楽です。私は、50歳で電気主任技術者の資格を取りました。

ＭＮＶトレイル社は資格要件が厳格です。資格が足りずに昇級が遅れる同僚を何人も見てきました。課長の怠慢です。資格に限らず、昇級試験対策は前年４月から始まっています。自信を持って昇級試験に挑めるように前年から役割や業務内容を配慮します。

30代の頃、すごい会議®︎、影響力の法則、プロジェクトマネジメントなどの社外研修を見つけては参加しました。自分の市場価値も計れます。課長になった今、年100万円の予算を確保し、仕事との接点さえあれば興味がある社外研修への参加を推奨します。

アラサーの臼宮さんには１年後に転職する前提で履歴書を書いてもらい、１年後に振り返りました。転職先は今の会社でも構いません。やりたいこと、足りないことを確認し、市場価値を高める意識を醸成します。臼宮さんは今、人事広報部で活躍中です。

キャリアは、昔は会社の中での異動や昇進のルートでしたが、いまは市場価値を意味します。営業第一課の大半は、高専卒、高卒です。会社は意外と冷たいことに早く気付かせます。自分の身は自分で守ります。転職に一番役立つ資格、それは大卒資格です。

上場企業で働いている間に大卒資格を取れば「キャリア、大卒」となり、転職の選択肢も年収も増えます。資格取得が得意な若手衆が留学制度や余暇を利用し、大卒資格を目指してくれました。でも本当に大卒資格が必要なのは資格取得が苦手側の若手です。

会社を辞めた時の約束事はひとつだけです。元いた会社の商品をひとつ愛用し続けることです。育ててもらった恩義に報います。私は30年間マツダ車に乗り続けています。残るは会社の枠に収まり切らないメンバーを育て送り出し、報いを受けることです。