教育事業への旅路、O&Mの危機を越えろ【5.38】

〔秘伝書⑤〕「スタートアップ。ビジネス思考の秘伝52則　エピソードS／思いやりは最強の武器説（第一幕：～20X5年12月）　～制約を創造の力に変えていく～」

担い手と匠の消失

O&M業界は「2025年の崖」に直面しています。担い手不足と匠の技の消失は、社会インフラの危機そのものです。このままでは、私たちの当たり前の日常が守れなくなります。未来世代を不幸にしてしまう、静かなる危機は、もう目の前まで来ています。

従来の採用活動や社内研修だけでは、この大きなうねりには勝てません。必要なのは、単なる労働力の補充ではありません。未来の社会インフラを共に創る仲間、インフラを守る仲間、つまり共創人財を発掘し、育てるという全く新しい発想です。

そこで私たちが踏み出すのが教育事業への壮大な旅路です。これは、単に技術を教える学校を作ることではありません。企業の枠、世代の枠を越え、未来への課題意識を共有するバディ（仲間）と出会うための前例のないオープン・イノベーションです。

なぜ教育と連携するのか。答えは高校生らが取り組む探究学習にあります。彼らは、教科書にないリアルな社会課題と自らの情報発信機会に飢えています。私たちは、O&Mの現場という生きた教材を提供できます。これこそが、未来を繋ぐ最強のタッグです。

マイナースポーツが、競技人口が少なくとも熱狂的なファンに支えられているように、O&Mの仕事もプロフェッショナルな世界です。O&Mの仕事の奥深さや面白さを、未来世代に正しく伝え、ミスマッチなく仲間になってもらう機会でもあります。

学生は、インターンというお客様ではありません。リアルな課題解決に挑む共創バディです。彼らの斬新な視点やデジタルネイティブな発想が、ManaviTra構想に新たな命を吹き込みます。彼ら彼女らこそが、当事者であり、未来の希望そのものです。

この取り組みは、学生に社会に貢献する実感と生きた学びを提供します。未来の仲間と出会えます。これは、目先の採用活動ではありません。10年、20年先を見据えた、社会全体への人財という名の先行投資です。ManaviTraは、技能承継の土台となります。

O&M業界、教育機関、そして行政をも巻き込みバディの輪を広げます。これが私たちの目指す、現場の実践知が、学生の探求と出会う技能伝承プラットフォームです。スキルや貢献が信頼として蓄積され、世代や組織を越えて知が継承されていきます。