〔秘伝書②〕「営業改革。ビジネス思考の秘伝52則 エピソード2/売れっこないもの売ってみた ~ダメそうなこと+だからいい~」
- 第二章.第1節.顧客プロファイル④
- 文楽せんべい禁止令 ~手土産は相手が絶対食べたことのないものを~【2.13】
銘菓文楽せんべい
運送事業者の車両導入決定部署や本社が関西支部のエリア外にある場合は、本社営業をしかけます。本社営業に帯同時、さっそく違和感を覚えました。決まって文楽せんべいを持参して「いつものものです。みなさんでどうぞ」から懇願営業が始まります。
初めての商品
NAVi営業は全国的に懇願一本槍でした。提案営業へシフトするため、手土産ひとつにも意味を持たす意識改革を進めました。超大型NAViは交渉相手にとって初めての商品です。導入目的も千差万別です。万人受けする口説き文句は存在しません。
ワクワク感を与える
超小型NAViの導入顧客でNAViの導入方針を変えてほしくない相手には、思考停止を促す意味で、安心安定の銘菓文楽せんべいが正解です。しかし、相手に何らかの変化を求めたいときには安定感ではなく、ワクワク感を与え続ける必要があります。
初ものにはインパクト
初ものにはなんでもインパクトがあります。手土産も無難なものでなく、自分自身が美味しいと思ったもので相手がこれまで絶対に食べたことのないものを贈ります。そのためには商談のデータベース化は必須です。もちろん、提案内容も毎回変えていきます。
提案商品を連想させる
手土産は提案商品を連想し、旬を意識してもらうために賞味期限の短いものを贈ります。最初はクリーン燃料n-アロモニアで焼いたパンや焼き菓子で環境性をPRします。トラックのタイヤをイメージするバームクーヘンなどの円形物も好都合です。
賞味期限ギリ少し手前
賞味期限3日なら前日に購入し、期限ギリ少し手前で手渡します。判断が遅れると先行者利益が得られないことを体感してもらいます。文楽せんべいのように日持ちするものは食べるタイミングが先送りされ、誰の手土産か分からなくなることさえあります。
応援者が増え出す
珍しい手土産へのワクワク感から、お菓子好きを中心に訪問営業が噂になり始めました。初めての商品である超大型NAViへの関心も高まります。返報性の規範も期待できます。商談の成果は積み重なり、結果として訪問先での応援者が増え出しました。
10個の焼き菓子
別の営業に帯同時、藤田口さんは10個の焼き菓子を持参していました。予算的にはもっと多くを買えます。10個の理由を聞くと、初訪問時に事務所にいる人数を数えたそうです。いつの間にか相手に合わせて提案するという営業の基本ができていました。
- to do 25:手土産は相手がこれまでに絶対に食べたことがないものを手渡す。
- to do 26:商談内容をデータベース化し、手土産も提案内容も毎回変える。
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